銀山温泉に思いを馳せる
「本当の強さは優しさの真ん中にあるんだって。」
お風呂に入っていると、ある人の言葉を思い出しました。
先日、憧れの銀山温泉を訪れたところ、僻地医療について考えるきっかけがありました。
『千と千尋の神隠し』のモデルとも言われている銀山温泉。大正時代の雰囲気と、ガス灯に雪がきらめく幻想的でノスタルジックな場所です。
私が勤務している新庄徳洲会病院から銀山温泉に向かうには、新庄駅から大石田駅まで20分。その後、大石田駅から“はながさバス”に乗ります。バス待合所では、この辺りも人口が少なく、病院の無い僻地だよと伺いました。
そして、私が群馬からやって来た看護師だと伝えると「新庄から車で大体30分圏内に良いところが沢山あるので、外からも看護師さんに来てもらえるといいですよね。」と、一押しの温泉やパワースポット等々、観光できるようにと、教えてくれました。
そして、銀山温泉。
こちらで働く方も、ひとり旅の私に「どこから来ましたか?寒くないですか?」など穏やかに声をかけてくれました。ストーブの暖かさと人の温もり。少しの間、世間話をしました。
この方の住む場所は近くに病院が無く、以前は新庄徳洲会病院やさくらんぼ東根という場所にある病院にかかることがあったそうです。徳洲会病院に入院中は、医師に大変お世話になったと感謝していました。「看護師さんですかー。何かの縁ですね。」と、その頃はまだ山形に居ない私にまで、親切にしてくれ、一日一回は良いことをしようと思っていると話されました。
この辺りでは、医療が必要になると本当に大変です。吹雪や大晦日の夜にも、高齢の家族を連れて病院へ駆け込んだりしたそうです。
帰りの電車では、雪国の暮らしに思いを馳せ、僻地の医療を守らなければいけないと強く感じました。人的資源の確保や安定した医療を届けるために、私たちはジャパンハートの力を借りて、新庄でお世話になっています。
地域の医療従事者は様々な思いで僻地医療を支えています。
外からの風を入れるべく、病院内も奮闘中です。
ミドル世代の私は看護師としてどう在るべきか、自分自身のためにここへ来ました。
こちらの看護師さんと同じように、一生懸命に看護を提供したいと思います。
ジャパンハート新庄プロジェクト 看護師竹田