ご縁があり、移動スーパーをされている夫婦に密着しました。

いろんなところに足を運んだ際に、移動スーパーなどはないのかなと思っていました。たまたま、寮の周辺をランニングしていると移動スーパーを発見し、声をかけさせてもらったのがきっかけです。

密着させていただき、地域に必要な存在であるということをとても感じました。私は街中に、しかもスーパーが近くにある方は、移動スーパーの必要はないであろうと思っていました。しかし、そうではありませんでした。近くの距離でもタクシーを利用したり、歩くには遠かったりとさまざまな理由や背景があることを知りました。利用されている方は情報弱者でもあります。繋がりが大事であると感じました。

夫婦の方が目指していることとして、スーパーで自由に買い物ができるようなスタイルを目指しているそうです。

暑さがまだまだ続く中、スーパーで今日、訪問する家のニーズに合わせて品物を選んで、販売車に詰め込んでいました。

販売車には、おかし、果物、野菜、調味料、日用品、肉、魚、お惣菜まで積んでいます。
冬は雪がとても多い新庄。なんと冬には除雪して、足場をつくって家から販売車までの通り道を作ってから販売しているとのこと。

買い物に来る人の生活背景などを把握して販売を行なっています。販売する場所もそれに合わせて行う、次に移動スーパーが来るまで食料が持つかも一緒に考えて声をかけて、時には一緒に選んでお買い物をする。その人のニーズに合った寄り添い方をされていました。

新庄徳洲会病院のすぐそばの有料老人ホームふきのとうさんにも移動販売をおこなっているそうです。自分で好きな物を選ぶ、食卓に彩りが増える、交流の場にもなる。そして訪問することで安否確認にもなり、地域見守り隊にもなる。買い物に来る人たちの笑顔はもちろん、夫婦の笑顔、両方が笑顔になる、とても印象的でした。

その中で、印象的な言葉があります。
「お祭りみたいな感覚。自分で選ぶことの楽しみ、食べたい物を食べることができたり、買い物に行けなくて、それが理由で食卓が寂しくなっても困る。これがあるから外に出てきて、近所の人と喋る人もいる。生活に欠かせないということ。つまりエンターテイメントだ。」とおっしゃっていました。以前、旦那さんの方は、別の仕事をされていました。

「お客さんが欲しいと思わない物を売っていた。でも今は、お客さんが欲しい物を売っている。」現在は、夫婦2人で力を合わせてお互いを支え合って、頑張っている姿がとても印象的でした。

今回のご夫婦のように、さまざまな方が信念を持って地域を支えているのだと感じました。この街で過ごす時間は残り少ないですが、私は看護師として、できることをしていきたいと思いました。ご夫婦を含めて、新庄の街の人は暖かくて、とてもよくしていただいています。

地域の人との距離が近いからこそでもあります。ここに来て、普段経験できないようなことを経験させていただいています。最初は名前も、場所もわからなかった新庄ですが今は大好きな街になりました。